1.シリコン中の金拡散と欠陥の制御
シリコン中で金原子は置換位置と格子間位置を占めます。通常の熱処理においては、置換金原子の拡散は格子間金原子の拡散に比べて極めて遅いのに対して置換金濃度が格子間金濃度の数十倍と大きいことから、シリコン中金拡散においては、格子間金原子として拡散し置換金原子となる位置交換型拡散が実効的となります。即ち、格子間金原子が置換金原子となる時には格子間Si原子を放出し、置換金原子が格子間金原子となる時には格子間Si原子を吸収します。よって、金拡散によって、格子間Si原子の生成消滅を行い、シリコン中の欠陥を制御出来ます。
この卒業研究によって、不純物拡散・ショットキーダイオード作成等半導体デバイス製作の基本技術とデバイス特性の測定・評価法をマスターすることが出来ます。